池澤夏樹の『憲法なんて知らないよ』を読みました。日本国憲法の原文は英語で書かれたというのは有名な話ですけども、この原文を氏が訳しなおしてます。憲法の文章を変えて公表しちゃうのは問題だけれど、英語からの訳をするということであれば大丈夫なんだとかなんとか。
いま憲法を改定しようと議論がなされてて人々の関心も高いわけですけれど、元々どういう文章なのかはちゃんと知っておかないとね。考えるのはそれからでしょ。
例えば九条の二項に「国の交戦権は、これを認めない。」ってあるじゃないですか。池澤訳だと「国というものには戦争をする権利はない。」となってます。見比べると正しく同じ意味なんだけれども、「え? そんなことが書いてあったの?」とちょっと驚きませんか。
ところで小学校の頃、憲法の前文を暗唱できたことを思い出しました。社会の教科書の付録で憲法やいろんな法律が載ってて、これを競って覚えたんです。暗唱できたらクラスの友達のなかでちょっと自慢できるみたいな。条文は無理だったけど憲法前文は行けましたね。意味は理解できてないけど文語調の響きが面白いということも手伝って。それから誰も手を付けないマイナーな奴(労働基準法とか)も覚えて得意げに暗唱してたような気がします。
これ自発的ムーブメントのように記憶してるんですが、もしかしたら教師が手引いてたんでしょうかね。だとしたらすごいことです。