現代文学100字レビュー
ピックアップレビュー
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母への想いをこじらせた娘と解体される母の三編。自我を手に入れるための母殺し、あるいは相剋。って心理学的な考察が途中で追いつかなくなるほどぶっちぎりに冗談山積み、あげくの万華鏡的大回転かよ。参るよなぁ。文学(小説)
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自分の人生を生き始めている子供達と、流れる時間を静かに見送る父親のしみじみとした短編集。ある種「こんなとこに来ちゃったんだな」と辿りついた場所に戸惑いながらも、家族の喜びをともに喜ぶ老(?)作家の姿よ。文学(小説)
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『彗星の住人』に続く「無限カノン」第二部。皆でびびるほどヤバくはない。恋敵が皇太子でロイヤル臭溢れるというだけの話。それでも裏声で想いを語るカヲルの生き急ぎ方で、恋愛小説として稀に見る力強さを備える。文学(小説)
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有人火星調査とそれに絡む騒動を描くSF。と見せかけながら政治小説であったりして社会問題がぎちぎちに詰まってる、そしてなおかつ思索的でメタ的な作品、と造りこみ水準が高い。新しい世界の曙光が自信たっぷりに。文学(小説)
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ちょっとすごいタイトルの短編集。水滸伝や三銃士や罪と罰など世界の文学を題材にした自由奔放パロディ。聖書でも遊んでる。「初期化するエデンの東のかたに園を設けてアダムを左クリックします。」なんだこれ(笑)。文学(小説)