古川日出男
古川日出男プロフィール&ガイド
古川日出男(ふるかわひでお)―1966年生まれ(58歳)。福島県郡山市出身。小説家、劇作家。
1998年、長篇小説『13』でデビュー。「朗読ギグ」として自作の朗読イベントも精力的に行っている。
2002年『アラビアの夜の種族』で第55回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)および第23回日本SF大賞、2006年『LOVE』で第19回三島由紀夫賞、2015年『女たち三百人の裏切りの書』で第67回読売文学賞(小説賞)および第37回野間文芸新人賞受賞。
奔放な想像力と腰の据わった語り口で圧倒的な物語を紡ぎます。
関連作家・似てるかも作家:恩田陸 江國香織 山尾悠子 桐野夏生 筒井康隆 グレゴリー・デイヴィッド・ロバーツ 石田衣良 入間人間 金城一紀 篠原健太
古川日出男おすすめ本ベスト5
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洪水と疫病の熱帯化した東京。崩壊を座して待てない無邪気な破壊神となって少年少女が暴走する。銃火器で、あるいはダンスで。衝動も思想も見えなくて要は人物造形の弱さなのかもしれないが、熱量がはんぱなくて是。文学(小説)
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犬の血統で紡がれる戦争の時代。政治的駆け引きや人間の愚をこの視点で描ききった奇抜さ。ハードボイルド系の文体が、配役たちに沈黙を強いて。年代記とヤクザの娘のパートとが絡みながら進行するがスピード感よし。文学(小説)
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猫を数える連作。この何にも似ていない世界奪回の剛腕はすごいね。東京的なスピードで群像が火花を散らすストーリーよりも、鋭敏な感覚器がむき出しになった文章に痺れる。二人称は優しさ、君を見てるって優しさだ。文学(小説)
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村上春樹トリビュート作品。東京脱出に敗北し続ける僕と三人のガールフレンドたちのポップなクロニクル。山手線で失敗するエピソードだとか原作知ってると震えるような細部がちりばめられて、そのリスペクトを堪能。文学(小説)
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狗塚家と冠木家の血筋に見える異能者たちを追いながら東北の歴史を捏造する長編。殺戮術、天狗、鳥居、記憶と記録。細かな整合性を取らないままこれだけのボリュームを突っ走るのはやや辛いんだが熱量はすんごいね。文学(小説)
古川日出男レビュー一覧(24冊)
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ドローイングと朗読のパフォーマンスアートみたいになった短編集。ライブじゃないのに即興的。といっても絵と文はあまり呼応してなくて、ちょっと世界が掴みづらい、死者たちの物語。絵も記憶も消えてゆく道の先に。文学(小説)
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新たな「聖家族」のための宗教と国家の物語。もとより整頓は企図されていないが、震災による分節と混沌があり、難読性がいっそう増してる。向かう先が示されたので、この国の未来を描くための踏み台になる作品だな。文学(小説)
古川日出男の新刊・近刊
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